サーモン・リッキーとバナナ・ブッチ



そこは人里離れた、森の奥深く、人間は誰1人として足を踏み入れたことのない楽園・・・。
森の妖精たちは飛びまくりです、ヒュンヒュンヒューン。
木々は喋るし、動物たちもしゃべりまくりです。
しかも日本語で。
そんな幻想的な不思議の世界で今日も何やら怪しい動きが・・・。





さて、やってきたのは”熊のリッキー”と”ゴリラのブッチ”
2匹は何やら話しはじめた様です・・・。

リッキー
「やぁ、ブッチ!ところで3日後に、例のお祭りがあるじゃない?どうする?」
ブッチ
「えっ?どうするって・・・何が?」
リッキー
「何がじゃないよ!お供え物だよ!」
ブッチ
「あっ、あれのこと?」
リッキー
「そうだよ。じつはすごく困ってるんだ・・・。」
ブッチ
「どうしたの?」
リッキー
「僕は今回、森の神様であるモリモリ様から”スモークサーモン3匹”お供えするように言われているんだ。
だけど今、3匹しか保存してないんだよ。どうしよう?」
ブッチ
「なんで?3匹保存してあるなら、問題ないじゃん?」
リッキー
「だめだめだめ!僕の食べるぶんがなくなっちゃうよ!」
ブッチ
「んん・・・、それもそうだね・・・。」
リッキー
「でしょ?何とかいい方法ないかな?」
ブッチ
「それって、お供えしなくて済む方法ってこと・・・?」
リッキー
「まぁ、そういうことかな・・・。でも、お供えしたくないというわけではないんだ。
ただ、僕が食べるのに1匹はせめて残したいんだよね・・・。」
ブッチ
「わかる、わかる。。。そりゃそうだよね。」
リッキー
「でしょ、でしょ?どうすれば、1匹手元に残せるかなぁ・・・。」
ブッチ
「そうだね・・・。あっ!こんなのどう?
”持ってくる途中に1匹、鶴に盗まれてしまいました!”って、森の神様に言ってみるのはどうかな?
鶴が悪い事するとは思えないでしょ?”それなら仕方ないな”って、モリモリ様も許してくれると思うけど・・・。」
リッキー
「いいねぇ〜。でも、それって嘘をつくってことだよね・・・。それはちょっと・・・。」
ブッチ

「だめ?案外正直者なんだね・・・。」
リッキー
「・・・。あの・・・、もうちょっといいアイデアない?」
ブッチ
「そうだなぁ・・・。あっ!こんなのどう?
”燻製をつくる途中で1匹焦がしてしまいました!”って、森の神様に言ってみるのはどうかな?
焦げたスモークサーモンが体にいいわけないから、”それなら仕方ないな”って、モリモリ様も許してくれると思うけど・・・。」
リッキー
「いやぁ〜、それもちょっと・・・。」
ブッチ
「だめ?けっこう小心者なんだね・・・。」
リッキー
「だからぁ!いい考えがないなら、ないって言ってくれればいいじゃん!」
ブッチ
「おいおい、逆ギレかよ・・・。わかった。
それならとっておきのやつを教えてあげるよ。
”3匹のうちの1匹がどうしても川に帰りたいって言うから逃がしてあげました!って森の神様に言ってみ・・・」
リッキー
「だからダメだって言ってるでしょ!!!っていうかスモークされて、もう生きてないし!」
ブッチ

「・・・。だよね・・・。」

沈黙。
”熊のリッキー”と”ゴリラのブッチ”の間に、ヒューッと冷たい風が吹き込んだのは言うまでもありません。
しかし、そのやりとりを見ていたのが、”この木、何の木、気になる木、見たこともない木ですから”、
ハッキリ言って何の木かはわからいけど、とにかくめちゃくちゃでっかい木のシャーロックさんだったのです。

そしてついに、樹齢1000年とも噂されるシャーロックさんは重い口を開いたのです・・・。

シャーロック
「なぜ、川に入らんのじゃ?なぜ新しい1匹を捕まえんのじゃ?」

一瞬、時が止まってしまったかのようです・・・。
少し間をおいて熊のリッキーは言い出しました。

リッキー
「それはそうかもしれないけど、こんな寒い時期に川に入るなんてまっぴらだね。冷たいのは苦手なんだ。
そんなつらい思いしてどうなるというの?そうだろ、ブッチ?」
ブッチ
「あっ、あぁぁ・・・。そ、そうだね。あっ、そういえばちょっと用事を思い出したからごめん、帰るよ。じゃあ!」

ゴリラのブッチはスタスタと帰っていきました。
熊のリッキーはというと、その場に座り込んでああでもない、こうでもないと3日3晩、考え続けたのでした。
結局、いいアイデアが浮かばず、”スモークサーモン3匹”お供えしたみたいですけど。。。
噂によると、その後リッキーが食べ物がなくて倒れているのを見たとか見ないとか・・・。
その後、元気に生きていればいいのですが。。。


ではゴリラのブッチはと言うと・・・?
じつはブッチもまた、お供え物のことで悩んでいたのです。
ブッチはモリモリ様から”特大バナナチップス10枚”お供えするように言われていたのです。
普通のバナナチップスではありません。
手の大きさほどある特大バナナチップスなのです。
そして、ブッチが保存していたのは・・・、10枚。
当然10枚お供えしてしまうと、手元には残りません。
ブッチもまた、”どうやったら手元に1枚残すことができるか?”ということを考えていたのです。
しかし、シャーロックさんの言葉を聞いて、ブッチはある行動に出たのです。
森の中央に位置するバカデカいバナナの木。
てっぺんはいつも雲に覆われていて地上からは何も見えません。
しかし、そのてっぺんに特大バナナチップスの元になる”グレートビッグバナナ”がたわわに実っているのです。
ブッチはてっぺんを目指し、登りました。
途中で休みながらも、3日間死にものぐるいで・・・。
それはそれは、たいへんな道のりだったみたいですよ・・・。
そうこうして、何とか特大バナナチップスの原料である”グレートビッグバナナ”を持ち帰ったのでした。。。


2匹の一部始終をじっと見守っていた、めちゃくちゃデカい木のシャーロックさん。
集まってきた森の妖精や、小鳥たちに向かって、こう言ったそうです。

シャーロック

「いいかい?
これは、熊のリッキーが”ダメ”なやつで、ゴリラのブッチが”賢い”やつという単純な話ではないのじゃ。
リッキーのことを「バカだなぁ・・・。」と言って笑い飛ばすことができるかな?
自分は「リッキーみたいには、ならない!」と言い切れるかな?
残念ながら・・・、ほとんどの者は、リッキーをばかにできないのじゃよ。
なぜなら、


”キツい思いしてまで新しいことにチャレンジするよりも、
今現在自分が持っているものの中から、いかに出すものを減らすか”
を考えてしまうからじゃ。


いいかな?
その方が手っ取り早いし、楽じゃからな。
そう、


”増やして得をすることよりも、削ることで得をしようとしてしまう”のじゃ。


違うかな?
たしかにどちらも同じだけ分だけ得をするのかもしれない。
しかし、どちらがその後、しあわせに暮らしていけるだろうか?という事じゃよ。
どちらが”正しい”、”正しくない”ということではなくて、どちらがよりしあわせになれるか?
ということじゃよ。
ただ・・・、
どうなるかわからない新しいことに手をだすのは、すごく勇気のいることじゃからな・・・。」

そして今日もまた、森の1日が始まるのでした。。。

Copyright(C)2005 さるまり 無断で転載、引用を禁じます。

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